ナノプロセッシング研究室
研究テーマ

2020.7.29更新

 
ナノ分子機械としての潤滑油・動力伝達油の超高圧性能評価

 潤滑油は人間の血液と同様,機械には不可欠なナノスケールの分子機械部品とも考えられる.歯車,ころがり軸受および変速機などでは3万気圧(3GPa)が発生し,油の高圧物性はそれら摩擦摩耗性能を左右する.トラクションドライブという油を介したころがり摩擦伝動装置では,図1のような自動車用高性能無段変速機が1999年に開発され今後普及が期待される.



図1 自動車用高性能無段変速機

そこにはトラクション油という特殊な動力を伝える図2のような分子構造の新たな油が開発され,エンジン油より環状構造で変形しにくいので動力を伝えると考えられているがその詳しいメカニズムは解明されていない.



図2 分子構造例概略図

 そこで当研究室では図3のような宝石のダイヤを用いたダイヤモンドアンビルセル高圧装置(DAC)という5GPa程度の超高圧が容易に発生できる特殊な小型装置を用いて,トラクション油,潤滑油の超高圧下の粘度,伝達力などの物性を測定している.



図3 ダイヤモンドアンビルセル高圧装置

図4はトラクション油―エンジン油間の高圧粘度の測定例でその差は高圧ほど大きく「高粘度=高い動力伝達能力」といえる.



図4トラクション油,エンジン油の高圧粘度



フラクタル手法の工学的応用

不思議な幾何学図形「フラクタル」の概念を用いて,材料加工の表面問題・
トライボロジー・バイオなどの現象解明やもの創りに応用する.
(金属表面のナノ構造,原子間力顕微鏡(AFM),トンネル顕微鏡(STM),SEM,画像処理,
コンピュータシミュレーション,CG)



コッホ曲線



微生物を用いたもの創り技術(バイオプロセッシング)の研究開発

微生物を使って金属の微細加工,新素材の生成,リサイクルなどを行う新技術
(ノントラディショナル加工技術)を開発することをねらう.
(鉄酸化還元細菌,磁性体微粒子,磁気テープ,鉄さびのリサイクル,バイオマシニング)



グラビアとインタビュー,精密工学会誌,68巻,7号,pp. 881-884 (2002-7)


ナノ加工に関する研究

塑性加工による超平坦面の創成,プローブ顕微鏡(SPM)を
利用したナノスケール加工などのナノ加工に関する研究.

 

(a) 圧縮前                (b)圧縮後
 
SPM画像(アルミニウム,20μm×20μm)



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